*193年*この国で、生きていく。
年が明けました。新年早々ミアラさんからのご教授ですw
王国に帰化して初めて迎えたこの年は白夜の年。四年に一度、天空で一番明るい星『光星』がひときわ輝き夜が訪れない日がある年です。
エルネア王国では建国時に護り龍『バグウェル』との間に交わされた盟約に基づき、白夜の日には護り龍が人間の代表者と対決し、その力量をはかるとされています。
そんな厳粛な話をミアラから教わり、おそらく国全体が一丸となって気を引き締めていかなければならない一年なのだろうと思い・・・
ーーましたが、そうでもなかったようですw
***
さて!
運命の日が訪れました!!
ウィアラさんからも祝福していただきました。
ありがとう、姐御・・・!!(T ^ T)
昨晩トレニアがデカい独り言を発していたように、新郎マルチェロも当日の朝、食卓につきながらつい呟きます。
住む場所が今は違えど、考えることは同じです。
待ちに待ったこの日が来たのに、正直何故だか実感がない。
家族になり、これからずっと一緒に暮らしていく。
夫婦になって、いずれ生まれるだろう子供の親になって。
楽しいことも嬉しいことも、悲しいこともつらいことも全て分かち合いながら、
共に白髪になるまでーー。
ーーそして迎えた昼一刻。
シズニ神殿には多くの人が集まっていました。
身なりを整えた二人は互いの目を見て微笑み合うと、神官からの言葉を合図に、ウェディングロードとなる神殿内中央通路を歩んで祭壇前へ向かいます。
余所の国を見てみたい一心で自国を離れ、早1年。
ふと訪れたこの国でまさか永住を決め、まさか結婚まで事が運ぶとはトレニアは想像もしていませんでした。
時折思い出しては一抹の淋しさが押し寄せた日もありました。
故郷で暮らす家族は元気にしていてくれているでしょうか。
そのうち戻ると信じて待っていてくれているかもしれないことを思うと胸の奥がチクリと痛みます。
もう戻ることはできない、今となれば片道切符だった初めての船旅。
故郷の地を踏むことは、もう二度とありません。
これからもこの淋しさが消えてなくなることはないと思います。
もう会えないふるさとの家族を案じ、郷愁をかき立てられることもあると思います。
けれども反面、後悔などもなくて。
偶然結びついたこの地で愛する人に出逢えたことは、淋しさに対抗できる最高の喜び。
ある意味、自分のこれまでのあらゆる選択はこの運命に繋がっていたのかもしれないのだから・・・。
厳かな空気に、ともすれば気圧されてしまいそうになりますが、すぐ隣にはマルチェロがいます。
もう独りではない心強さとは、これほどまで安心感があるのだと分かります。
式のはじまりは緊張もあり周囲の顔ぶれを確認する余裕はなく気づきませんでしたが、何人もの友人・知人がお祝いに駆けつけてくれていました。
昨年末に帰化したばかりのトレニアでしたが、いつの間にかこんなにもたくさんの人々と交流を重ねていたことを実感し、このエルネア王国に根を下ろす決意を固めたことは良い選択だったと満たされる思いです。
元々この国の住人ではないトレニアですので、新婦側親族席が空き状態であることは避けて通れないため淋しい雰囲気になるかと思いきや。
友人のメリンダちゃんが両親に代わり参列してくれていました!
(でも親友に昇格はさせてもらえないw)
新郎父が叫びます。
マルタ「がんばれよー! マルチェロ!」
新郎母も叫びます。
ジェイミー「トレニアちゃんを幸せにするのよー!」
そして気がかりな新郎弟・ケサーリは・・・
参列していなかった模様でした^^; (そりゃそうよね)
なにはともあれ!新婚生活スタートです☆☆☆
※補足
二人の新居はマルチェロが生活していた、これまでと同じ、城下D区4に決まりました(*^^*)
トレニアが転がり込む形ですw