*195年*夫婦対決!
朝っぱらから気合バリバリの旦那様に挑戦状を叩きつけられます。
憧れの存在だったマルチェロから宣戦布告・・・トレニアも強くなったものだと思っていいのでしょうか。
対等に戦えるまでに近づけたことがとても嬉しく、とても誇らしい気持ちです^ ^
では、行ってきます!
***
夕方の闘技場で再びマルチェロと向かい合いました。
対戦を控え、トレニアは緊張感に襲われます。
初戦は勝ち進むことができました。
さて、今度はどうなるでしょう。
多少複雑な心持ちです。
試合ですから勝ちたい気持ちは確実にあるのですが、反面、マルチェロが膝を折る姿は見たくない思いもあったりします。
これまで目標としてきた人に追いつく、ともすれば超えてしまうかもしれないという状況にトレニアは得も言われぬ心情を引き起こされます。
ーーーこの、妙な迷い。
必ず勝てるという保障があるわけでもないのに。
試合が始まりました!
いつまでも妙な感覚に囚われているわけにはいきません。
そうです。そんなに容易くマルチェロに勝てるわけがありません。
何せこれまでもまだ一度も勝利したことがないのですから!
ーートレニアは、自身よりもマルチェロを応援していることに気づきました。
それに気づいた途端、心の中に渦巻いていた迷いはスッと腑に落ちる感覚に変わります。
試合には勝ちたい。
でもマルチェロから勝利を得たいとは思えない。
ーーー彼がここまで導いてくれたから。
だからマルチェロにはまだまだ自分よりも強くあってほしい・・・まだ超えられない壁であってほしい。
さっきまで胸の内に渦巻いていたおかしな気持ちは、きっとそういうことだったのだと納得できました。
とても清々しい負け試合となりました!
***
紡がれる、優しい言葉。