*204年*ビッグニュース!!
エルネア王国国民総出イベント、ギート麦の収穫を終えた翌日の6日。
キクの姉・ジニアの10歳のお誕生日の朝でした。
一触即発で何かが起こりかねない不穏な空気を漂わせる、向かい合う父と姉・・・
そんないつもの食卓事情だったのですが。
不思議にもそれが一変していました。
マルチェロ「お誕生日おめでとう」
つっけんどんな言い方ではない、何か深い思いを噛みしめるように姉を穏やかに祝った父に驚いて、キクは思わず視線を向けます。
ーー姉のことしか見えていないかような父。その蒼い瞳があまりに優しくて、けれど同時にとても淋しそうに姉の姿をとらえていたのでした。
ジニア「ありがとう」
短く礼を口にした姉の様子もどこかおかしくて。
不仲さから父のことを極力視界に入れようとしないでいたこれまでとは打って変わって、照れくさそうに淡い微笑みを父へ返しているのです。
二人の急な態度の軟化に、キク、グロッサム、ローダンセは戸惑いしかなく顔を見合わせて答えを探しますが・・・見つかるものはなく。
ただ一人、母だけは全てを承知しているのか静かに見守っていたのでした。
***
朝の謎が解けたのは程なくしてからのこと。
牧場での一仕事を終えたキクはアンドレスとデートの約束をしていたのを思い出し、今日の予定を確認するべくカレンダーを開いたのです。
すると明日の予定に!!!!!
!?!?!?!?!?
頭が一瞬にしてフリーズ!!
・・・・・ (◎д◎;)
ごめん!
今アンドレス
どころじゃないッ!!w
慌ててシズニ神殿の方にも確認へ行きました!!!
まーじーでーッッ!!?
やばッすごッえッッどうしよ!!?w
突然の出来事すぎて色々な思いの迷走と共に狼狽えるばかりのキク(というかむしろ私w)です!!
とにもかくにも姉に会いたい!
お誕生日よりも祝いたい!!
嬉しさと驚きと困惑が身体の中を勢いよく駆け巡ります。
アンドレスには申し訳ないのですが、この日のデートの記憶は全くありませんw
そうして姉に会うことが叶ったのは結局、夜のとばりが下りてから。
キクは、ジニアに心からの祝福を告げたいのに。事の経緯を詳しく聞きたいのに。
ずっと心配して、見守って、励ましてきたーーそんな自分の内に息づく思いが強すぎるあまりに言葉を上手く生み出すことができず、わけのわからない涙ばかりが自然と溢れてきてしまうのでした。
そんな妹を困ったように笑って抱きしめたジニアの瞳にも、涙が浮かんでいたのです。
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