エルネア王国*イロハ家譚

iOSアプリ版『World Neverland~エルネア王国の日々~』のプレイ日記です☆ネタバレ満載です!^□^;

*204年*遡及

 

昨夜、ようやく会えた姉から事の顛末を根掘り葉掘り問いただす中。

気がつけば空は白み始めていました。

 

慌てて帰宅して、二人は同じベッドに倒れ込みます。

 

父との仲違いが思うよりずっと心労となり蓄積されていたのでしょう。姉のジニアは急展開すぎる現実に呆然と。長年心配し続けてきたキクは安堵からか、半端でない疲労感が体から噴出します。

 

それなのに。疲れているはずが、なかなか寝付けない。


朝日が完全に顔を出すまでの短い時間を、二人うとうとと。

眠るとも眠らぬともつかないまどろみの中でぼんやり、考えます。

 

(小さい頃も…よくこうしていたね)

 

同じベッドに寝転がって。

眠るのがもったいなくてお喋りしていたはずなのに、いつの間にか迎えていた朝。

両親に見つからないよう上掛けをかぶって、月明かりを頼りに絵本を読んだ幼き日の夜。

 

時にしたケンカも今ではいい思い出。

貸す貸さないの子供らしい堂々巡り。

 

思わず小さく笑ってしまったキクは隣で寝息をたて始めたジニアを見つめます。

 

明日にはもう。明日からはもう。

 

姉の寝顔を記憶に留めておきたくて、涙で歪んでしまうけれどキクは見つめます。

こんなふうに同じ床につけるのは、今日が最後だから。

 

(おめでとう。幸せにね)

 

寂しくとも、心はとても満ち足りていました。

 

 

***

 

 

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いよいよ姉の

結婚式当日の朝!

 

短くも深い眠りへといつの間にやら落ちていたようで、キクが目覚めた時すでに隣に姉の姿はなく、階下で神殿へ向かう準備に追われている声がしていました。

 

キクも起き上がり身なりを整えて、家族が揃う1階へと降りていきます。

 

ちょうど食卓へ皆つこうかというところでした。

疲れが残っていたからかもしれませんが、キクは朝からチョコナッツタルトをチョイス。

それから右隣の父の朝食へ目を移せば、父らしくない選択のポマロスープが。普段滅多に選ぶことのないものを選ぶに至った父の心境が何とはなしに伝わってきます。

 

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ジニア、キク、グロッサム、ローダンセ。

父と母の元へ生を受けた4人の姉妹たちの中では、おそらく。

 

父が最も慈しんでいたのはジニア。

初めての子ゆえに自然と思い入れも強く、それこそまだ母の胎内にいた時分からずっとずっと、片時も忘れることなく気にかけてきた存在だったのだと感じます。

 

大人になり、巣立つ速度に気持ちが追いつかず。

見守り続けていた長い年月は泡沫のようにひっそりと影を潜めて。

 

ジニアの伴侶となるダイゾーが近衛騎士隊に入隊したことが、マルチェロとジニアの親子関係を変えるきっかけだったのでしょう。

意図したわけでないけれども一石を投じる形となったのです。

 

ダイゾーに厳しく当たっていたのは純粋に彼を近衛騎士隊の重要な一隊員と受け入れ、他の隊員同様にしっかり育てる義務が重鎮のマルチェロにはあったから。

娘の交際相手であろうとそこは公私混同するべきところではないからでした。

ですが無意識とは恐いもので、マルチェロがダイゾーに求めるものは他のどの隊員よりもハードルが高かったのも否めない事実だったのです。

 

自分に代わり、娘を守っていく男ーー覚悟を持って娘を託したかった。

 

それなのにその相手の男は。

優しく穏やかな人柄であることは理解しつつも、彼の主体性のない部分がマルチェロにとっては悪目立ちしてしまい、眉をひそめざるを得ない人物として目に留まってしまいました。

 

国を守護する重大な任務を常に背負う、王直属のローゼル近衛騎士隊。重い責任がのしかかるそこに、成人を迎えて以来、一度も外れることなく籍を置いているマルチェロです。父である故・マルタの背中を追い、所属隊員として代々名を馳せるオルコット家のプライドを賭けて、熟年となった今でも道を走り続けています。

 

出自はそれぞれ。思考もそれぞれ。

だから完全に同じでなくてもいい。

ただ、隊員となったからには一心に腕を磨いてほしいーー何よりまずはそこでした。

 

娘の関心を得るための入隊であったのだとしても。

騎士隊選抜で準優勝を勝ち得た実力があるのだから、いささか不純とも取れる動機だったのだとしても価値を見出し、身を立ててほしかったのです。

 

しかし。幾日経とうともダイゾーから感じ取れる変化はなく。

己の力を高めるーー役目に責任を持ち、立場を確立させる。結局、そういった自らのためとなる信条が二年目の任期を経ても芽生える様子が見受けられなかったのでした。

 

(見込みはあれど自覚のない者がいつまでもいていい場所ではない)

 

秘めた実力を持て余す意識の低い人間を、騎士隊の年長者として、区切りをつけさせなければいけない時もある。

 

たとえそれが、娘の愛した相手であっても・・・。

 

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泣きべそをかきながら、今日で最後となるイロハ家の食卓で感謝を呟くジニア。

 

別離の淋しさに各々が涙を浮かべ、空気はしんみりと。

マルチェロに至っては誰よりもうなだれてしまいます。

 

ーー大事に、大切に育てた、初めての子供ーー

 

笑顔で送り出すことを決めていたトレニアの瞳にも涙が滲んでいました。 

 

そんな中。

最後の最後で爆弾発言が到来・・・

 

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ローダンセよw 

 

 

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なんだかんだでやけに長くなってしまった今回の記事(^^;

ようやく話がまとまり公開ですw