＊202年＊くすぶる何か
『自由気まま』なアンドレス。
誘われたので・・・
一緒に洞窟探索へお出かけw
＊＊＊
さて。
なかなか掴みどころのないこの男にキクは振り回されておりました。
前回の記事の話をかいつまみますが・・・
大体クサいアンドレス。
ストーキング男アンドレス。
プライドの欠片もないチキンなアンドレスw
風呂にも入らず女を追いかけ回す、そんなどうしようもないこの男とダンジョンへ潜ると高確率でキクを置いてきぼりにし脱走する現象が起きますw
男たるもの、情けない姿を見せるべきではないと思うのです！
父さんは絶対に逃げたりしません。
それこそ未熟なあたしを敵から庇い、共に戦ってくれます。
ノエルもそうです。
どんなに苦しくても、途中で逃げたりしない男気があります。
ノエルのお姉さん、カーメラちゃんも同じです。
決して敵に背中を見せたりはしません。
オルコット家の血を引く人間に、敵前逃走の考えはないのです。
だからでしょう。
キクはアンドレスのことがわからなくて、かえって気になってくるのです。
＊＊＊
もやもやとしたものを抱えながら、キクは近衛騎士隊トーナメント開催中の闘技場へとやってきました。
今日は母の第二回戦が執り行われます。
対戦相手はエヴァ・ヴァディムさん。
彼女は壮年になってから騎兵選抜にて優勝の錦を飾り入隊した女性です。
下の過去記事にあります200年当時の騎兵選抜トーナメントでエヴァさんは姉ジニアの対戦相手としてお目見えしていました。
ちなみにこの年の準優勝者はダイゾー・アーチボルド。ジニアの彼氏です。
エヴァさんが騎兵選抜で優勝した実力者といえども、騎士隊に所属する人間は皆々がそれぞれ優勝、または準優勝を勝ち得て入隊を叶えた精鋭たちです。
つまり条件は皆同じ。
入隊してしまえば特別視するような栄冠でもないのです。
更に母トレニアはエルネア王国の護り龍・バグウェルとの戦いも経てきました。そんな母にとっては入隊2年目のエヴァさんなどまだ新人の部類であることに変わりはなく、試合を優位に進めるのも造作もないことでした。
試合を終え、順調に勝ち上がっていく母にキクはエールを送ります♪
そして母の試合日から2日後、今度は父が第二回戦を迎えます。
お相手はマルチェロ同様、ローゼル近衛騎士隊大御所でありますアイマル・キャニングさんです。
この方も本当に所属年数が長いです^_^
昔トレニアが入隊を果たした年にはすでに在籍しておりました。
威厳たっぷりの二人が向かい合い、試合が開始されました。
先攻は父のようです。
アイマルさん、防御していないのでとんでもないダメージ・・・！！
父の本気を見て少し怖くなりました。
気絶寸前にアイマルさんを追い込んだ父でしたが、最後の抵抗を受けます。
父には至らずとも、諦めず力を振り絞るアイマルさんに心が揺さぶられました。
小さな頃から身近にあった”当たり前”は、両親のこうした力強い姿。
ーー脳裏にまた、彼のことが思い浮かびます。
キクの内にある”当たり前”をことごとく打ち砕いてゆく、アンドレスの姿がーー
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