*202年*イムふん臭よ、さようなら
年末を迎え、家族皆々がそれぞれに一年を振り返ります。
キクにとって今年は、成人し、大人の仲間入りを果たした年。
いきなりの受難に自分自身を見つめ直す機会ともなりました。
近衛騎士隊に長年籍を置く両親を持つがゆえに自分の中での騎士隊は”当たり前”の存在となっていたことで、幼い頃からの慣れ親しんだそうした存在とは時に、自らへ錯覚を引き起こすものだということを実に痛感した202年前半。
『組織に所属する自分』のイメージだけが独り歩きをして。
両親が築き上げ、歩んできた道をまるで自分のものであるかのように履き違え。
実力も資格もないというのに、何の疑問もなく自らも騎士隊の一員として国を、陛下を守護する場に立つものだと信じて。
その間違いに気づき、意識を正すのに苦悩しました。
後半の出来事として特筆すべきは、初々しく淡い、感情の芽生えかもしれません。
子供時代から仲の良かったアンドレスに対し、キクは他の誰にも抱かない、不可思議な感覚を意識するようになっていたのです。
(ーーでもなんか違う!)
これはもしかしたら『恋』というものなのかもしれない!・・・とも思ったけれど、耳にしていたはずの『恋』とはあまりにかけ離れた現実に頭が混乱していました。
聞いていたのは、ドキドキしたり、ソワソワしたりする、じっとしていられないような甘い気持ち。
会えるのが待ち遠しくて、待ちきれなくて、いつでも傍に寄り添っていたい気持ち。
アンドレスにドキドキ?
どこへでも現れる神出鬼没さにドキドキはするけれど・・・
アンドレスにソワソワ?
次はどんなことで振り回されるんだろうってソワソワはするけれど・・・
アンドレスが待ち遠しい?待ちきれない?
いや、いつでも周りをうろちょろしてるし。
傍に寄り添って・・・いたら毎回イムふんの臭いを気遣わないとだし。
だから『恋』とは違う。
甘い気持ちになることを『恋』とーーそう呼ぶのなら。
***
キクの心を乱すアンドレスは噴水通りC区の集合住宅に住んでいます。
今更なのですがw
彼のフルネームはアンドレス・フォンボルクといいます。
フォンボルク家の朝の食卓をちょっと覗かせてもらいました。
お父さんがフェルミンさん。服装から、農場のお仕事を専門とされているようです。
お母さんはモネさんという、つつましやかな風貌が印象的なとっても綺麗な方。
アンドレスはどちらかというとお母さん似だと思います。
食卓に3人のみということは、彼は一人っ子でしょうか?
あっ、赤ちゃん!
ベッドにバルバラちゃんという女の子の赤ちゃんが(*^_^*)
年の離れた妹がいたんですね。
ちょっとアンドレス・・・小さな妹もいることだし、そろそろそのくっさいのマジメになんとかしようよ^^;
今日も絶好調にイムふん臭を振りまいているアンドレスです。
本当に、何か手立てはないのかな?
春からずっとあのまんまのアンドレスです。
おそらく周りから忠告されているし(キクも直に言いましたしw)気づいていないわけはないので本人の自覚の問題なのだと思います。
気に・・・ならないんでしょうね。
アンドレスにとってはイムふん臭など騒ぐほどのことでもないのでしょう。
変なところで肝が据わっているアンドレスです^^;
とはいえ。
キク「そうだ!」
丸一年となる前に、何とかしなければなりません。
今年の汚れは今年のうちにです。
キクは自分の使命であるように感じていました。
そしてついに思いついたのです。
くさいアンドレスを
元に戻す方法を!!
ほら来たーーッッ!
この手があったんです!
キクいるところにアンドレスあり、ですからねw
先にバシアス浴場に来て待っていたらドンピシャでした!
まずはちゃんとお風呂に入ろうか!^^;
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